疾走

長文ポエマー地下室バンギャル






言葉を尽くさなければよかった






フィラメントはあの鶯谷の線路を下に見る駅へ続く道
春の日はバイト先を退職した日の真夜中の街路樹
あの人はもう来ないは祖母の家の縁側のある部屋の光
ただいまは大学時代の一人暮らしの部屋の天井
スクールゾーンは午前4時の帰路の坂道
最後の宿題はブランケットごと膝を抱えて泣いた冬の夜
さよなら、スターダストは憂鬱を押し込めて乗った夜行バスの冷たい窓とカーテンの隙間
夏の日は迎えを待った地元の駅の南口の壁
「依存」という名の病気を治療する病院は独りで歩いた市立美術館の横路

冷たい雨は
冷たい雨は、日比谷野外大音楽堂





こんなにも、こんなにもぴったりとくっついている
無理矢理剥がそうとすれば皮膚ごと剥がれて大きな傷になるほどの
ああやっぱりcali≠gariは尊い
死ぬほどに美しい

泣きたい
でも泣かない

言葉を尽くさなければよかった
書きたくても書きたくてももう何も出ては来ない