疾走

ポエマー長文地下室バンギャル

乾燥剤1粒






暑くなってきましたね




一番仲良かった同期が会社辞めた

まあ最初から次のことを考えてた子だったし、いつかは同期の中から辞める人も続出するんだろうなとは思ってた。実際普通の女の子だと長く続けるのはキツいだろうなと思うし、会社の将来性とか成長とか云々はわたしにはあんまり関心がないことなのでどっちでもいいけれども、自分自身の将来を考えたらそりゃあ土日休みで9時17時で、の方が都合が良いだろう。
でもなんだろうな、ある程度覚悟はしていた筈なのに、何だか想定よりもショックが大きい。
もう少し一緒に頑張りたかった。
今まで何度か相談(というより愚痴に近いもの)を聞いていてもいまいち引き止められなかったという経緯がある。その人の人生はその人のものだもの。何を優先するか、何を物差しにするかはその人によって違う。それを曲げさせて引き止めるだけの説得力も熱意もわたしにはなかった。それだけの、それまでの話なのに、別に二度と会えなくなるわけでもないのに、今後の研修でその子がいないことが、わたしがしんどいときにこの子なら聞いてもらえるという拠り所みたいなものが無くなったことが、野心を抱いて上を見る同じ立場の人がいなくなったことが、こんなにも虚しいことだとは。
頑張ってほしいけどね。彼女が迷って立ち止まって悩んだ上で、自分で自分の行く先をちゃんと決めてまた歩き出したことは、本当にすごいことだし、素晴らしいことだし、幸多からんことを!って思うけど、そこで立ち返り思うのは、やはりわたしの、わたし自身の進退だったりするんだよ。

思考停止気味に日々の消化試合を繰り返しているなと思う。好きだった筈のバンドの新譜やライブの情報が続々と出ていても何も感じない。情報がただ目の前を滑っていくだけ。それに喜ぶ人たちを尻目に、わたしはただ毎日を消化している。

バンギャルじゃなくなったらどうやって生きていくんだろうな、とふと思う。別に実際のバンドがどうこうではなく、「趣味」という「仕事以外の自分の世界」を持てなくなったとき、わたしはその世界をもう一度他のところに作れるだろうかと。友達、恋人、新しい趣味、何でも良いんだけれども、仕事に比重を置くのは嫌だと思っているわたしが、その仕事以外で重視出来る何か。その何かがないとやっぱり自然に「とりあえず今ある仕事」に肩を寄せるしかなくなっていくような気がして、そうなると「楽しくない」というところでまた躓くんじゃなかろうか。誰よりも上を目指したいと言えるだけの情熱が持てない仕事に対して、こここそがわたしの居場所だとは言えない。そのことにもいつかきっと立ち止まってしまう。
何より自分にはここしかない、一つの世界だけしかないと思い込んでしまうのは極めて危険なことだ。

フリーターでひたすらバンド追っ掛けてたときは就職したらとりあえず安泰だとさえ思ってた。まあ、正直安泰だと思ってる。今も。楽しくなくても好きじゃなくても辛くなくて嫌いじゃなければ仕事は出来る。あの頃みたいな期限が迫るヒリヒリとした焦燥感は出来れば二度は味わいたくないものだ。だけど、こうして並走者がいなくなっていって(それは友達がどんどん結婚して取り残されていくような状況でも同じ形容になるだろう)、いつの間にか周りに誰一人いなくなったとき、わたしはわたしだけで走れるんだろうか。ひとりで走り続けていられるだろうか。

そんなことを考える。

そうそう容易く走るのをやめることなんて出来ないだろうと解っていても。