疾走

長文ポエマー密室バンギャル

青―青き春の忌辰によせて












世界でいちばん尊い色を、


来年の今日に沈黙するために





朝から調子が良くないです。微妙に曇った空と天井の低い職場のせい。そして最後に、日付のせい。



「ずっと好きでいればいつか届く」ということをよく聞きます。「ずっと好きでいたからこそ届いた」ということが多分その本旨です。表舞台に顔を出せるようになった人たちが、ずっと表舞台にいる人に届いたときの言葉のような気がします。
ずっと好きでいた、という、現在より前のある地点から更に振り返り、それを理由に、届いたというたった今。
わたしにとってはもう「ずっと」も無ければ「届いた」という今を獲得する未来も無くなってしまったけれども、ただ、恐らく届いていたからこうなったのだろうなと思うことは何度かあって、表舞台になんて立ったこともないけれど、それはきっとこれからもわたしの人生の中で誇らしく輝かしく気恥ずかしい嬉しさの象徴として、そして同時に消えない「あと」として残っていくのでしょう。

3年と聞けば何が最初に浮かびますか。義務教育、高等学校、人を好きでいるサイクルの終わりの期間。3年目の浮気。短くて長い3年間。

わたしが今勝手に杖にしているバンドは「夢の残骸」と書いて「ゆめのあと」と歌いました。
わたしが謳った夢の「あと」は、どう記すべきなのでしょう。

何かを成し遂げることも出来ずすごすごと実家に戻ってから就職を決めて働き始めるまでが3年。他人が当たり前に出来ることを、やっとの思いで始めるまでが3年。あのバンドを知ってから、初めて生で見るまでが3年。

2014年の9月27日から、今日で3年。

人の記憶ってどんどん曖昧になっていくもので、風化していきますね。思い出せなくなっていったことが数えきれないほどあって、思い出せないことすら思い出せないことが増えていく。2年前の今日は、これがたまらなく苦しくて、許せなくて、悔しくてーーー。そうだね、悔しかったんだろうね。悔しくて悔しくて、何より悲しかったからあれを書いたんだろう。今読んでも、よく書いたよと背中を撫でてあげたい。それだけの熱量を、頑張ってくれてありがとうね、あの頃のわたし。

もう大丈夫です。ほんとうは。別に沈黙しようと思えば出来ます。ただの平日として過ごすことはきっと出来るようになった。浮かばれるために必要なことは、わたしが言葉を尽くすことではなくて、むしろ誰かに言葉を尽くしてもらうことだったんです。見知らぬ「誰か」が共振に泣いてくれることを知って、わたしがどんな想いでいたかを察してくれたから、それでもう充分でした。分かってくれて、ほんとうにありがとう。


願いたいのはたったひとつだけです。目を向けてほしいのではありません、謝罪とか感謝なんて美しくつまらないことも必要がない。侮蔑で嘲笑で構わないから、ちぎられて終わった日々で脱落していったことを、ただなんとなく薄ら笑いながら爪先で弾いてほしいんです。ちぎられて終わるまでを、死ぬほど愛した私がいたことを、それが唯一の光だった私がいたことを、なんとなく思い出して、次の瞬間にはそんなことどうでもいいやって放り投げて捨ててくれたらいい。繰り返す毎日の中にふと現れる黒い点になって、思想の海の認知の一瞬を蝕むことが出来たなら、それがきっとここからのわたしにとっていちばんの幸福です。


砂粒がゆっくりと飲まれていく沼のような日々が、滝のように滑り落ちていく日々に変わっても尚、笑える人が羨ましかったです。嘘です。憎かったです。泣いても泣いても終わらなかった、抉り取りたいくらい憎かったんです。


手首にかかる力の強さだけ好きでした。


然様なら。











































































































いつまでもとらわれて、何度も何度も馬鹿みたいだなって思ったよ。憎くても恨んでも何も変わらないどころかどんどん惨めになっていくことも、分かっていたけど全然、変わることなんて出来なかった。受け入れることも出来なくて終いには見ることすら出来なくなって、笑える人にさえ何でだよ、って、歯を食いしばってたよ、あのとき。
鶯谷で思ったのは、「何で笑えるんだよ」ってことだった。今しか言えない気がするから言うけど、もう何もかもが、全く許せなくて、だってあんなに、あんなに、だったのに、何でそんなふうに簡単に笑えるんだよって思ってしまって、それでそんなふうに簡単に裁断をする自分の浅さも許せなくなって。何もかもが苦しくて、耐えきれなくて、逃げたくて、それで後ろを振り向いた。全てを飲み込む暗さだった。怖かった。あれ以上の暗闇を、わたしはきっともう見ないだろう。その暗さを携えて、それで今日まできた。もっと上手く終われたら良かったんだけど、やっぱりそれすら出来なくて。上手く終わるってどうやればよかったのかな。今もわからない。

FCの期限もいつの間にか切れた。やっとだ、能動になれなければ切れるそれだけのそれまでの縁。縁なんて呼んでいいのかさえわからない。呼んでいいのか、なんて、一体誰に許可をもらおうとしているのか。だから、昔の自分にももう謝らないからね。

もう一切をやめるから、そしたら全部、忘れてあげてよ。




好きだった。好きだったよ。もういいよね。好きだった。本当に本当に好きだった。言葉になんかなれなかった。諦めたくなかったから何度だって頑張ってみたんだよ。だけどこればっかりはついぞ言葉になんかなってくれやしなかった。結局いつも通り泣きながらこれを書いている。泣いたほどに好きだったよ。いちばんに好きだったよ。何よりも大切だったんだよ。あれだけが光だったんだ。どうしようもないわたしごと、連れてってよ、夢の島へ。わたしにとっての夢の「あと」は、やっぱりひらがなのままでいいや。