疾走

長文ポエマー密室バンギャル

星の名前




楽しいことと明るいことと幸せなことで心を満たしたいのに現実はいつだってそうはさせてくれない



すばるくん。渋谷すばる。本当に良い名前だな




傍目から見てもなんとなく分かったよ、理由を聞いてやっぱりなと思った。音楽が好きな人ではなく、音楽が好きすぎる人だと思った。正直、あんまり向かない質の人だろうなということも外野ながらに思っていた。この人は音楽を好きすぎる。

空気感が好き、ってさ、すごく難しいことなのね。誰か一人をとても好きでもグループをまるっと応援することは案外易くなくて、例えば誰か一人があんまり好きになれないとかもありうるし、全員でいるとなんか違うとかもありうる。
みんな揃ったときの雰囲気とか、並んだときの迫力とか、全体の絵面とか、そういう細かな言語化までたどり着けないところにある抽象的なものに惹かれることってすごく少なくて、貴重なのね。
だけどたった1人でも、そこからいなくなるだけで、そういうあたたかいものって冷えたりするし、下手すれば跡形もなく壊れたりもするんだよ。

退路を断つ判断だったのかななんてなんとなく思う。
正直に言えば、先の道のりはかなり険しいようにも感じる。


ああ、いつだって無力だ、こちらは。

あなたたちは時に、とてつもなく、無慈悲だ。


変わらないものがほしかったから、そういう嗅覚をはたらかせて選んだのが関ジャニ∞だったような気がする。氷点下の夜、人生の一番の挫折を食らった頃、図書館までの下り坂をイヤホンで流し込みながら歩いた。指先の感覚も足先の感覚もなくなる冬を、アホアホでテンアゲなノリノリの曲ばっかり、落ち込みたくなくて、ぐるぐる巻いたボサボサのあったかくないマフラーのなかで口ずさみながら歩いてみる。おばちゃんROCKってなんだよ!12の34でジャジャジャジャーンって!って思いながら、それがとんでもなく助けになった。聴きながらちょっとだけふふって微笑んで、ちょっとだけ涙ぐんで、またちょっとだけ笑って、そうして冬をなんとか乗り越えた。あのときもし関ジャニ∞を選んでなくて、いつも通りヴィジュアル系の暗い曲ばっかり聴いてたら、わたしはあの坂道を、まずい方向に転がり落ちていったかも知れなかった。ありがとね。あのときは本当に助かりました。わたしが手助けをしてもらったのは人生のほんのひとときだったから、ほんとはこうやってなにかを言うことさえおこがましいのかもしれないけれど、あのときがなければ今のわたしもないので、いっそ開き直ってこうして書かせてもらっています。

手を出したばっかりでメンバーの声の聞き分けすら出来なかった頃だけど、ひとりだけ、あんまりにも命を燃やすように歌うから、すばるくんの声はすぐに覚えた。なるほど燃やしている。星団、星の名前だ。

そっか。そうなんだね。なんとなく、なんとなくそうかもなあと思ってしまっていた。



変わらないものがほしかったけど、変わらないものなんてないことはもうとうに知っている。



去年見れて良かった。
めぐりあわせとはふしぎなものだ。

笑える日は来ないかもしれない。
だけど誠実な方法を選んでくれてありがとう。
ちゃんと言葉があることは、言葉で残してくれたことは、きっといつか、どこかで誰かの心を救うと思うんです。

道を違える決断をしたこと、送り出すと背中を押すと決断をしたこと、その決断を、ずっと先で、間違いじゃなかったと、迷わない未来を掴んでほしいです。