他人の郷愁に突っかかってちゃ駄目よな

先に謝っておく ごめんなさい



















でもね じゃあ

あの日に罪悪感を感じることはあるのかと
あの日の悲鳴は 覚えているのかと



悲鳴が上がったかどうかも覚えていないけれど

覚えているのは湿った空気とビル群
苦々しい曇天とざわめき
蚊を孕む繁った暗い色の緑

無機質な壁
勾配の急な足元
冷たい椅子

緊張の糸

自分の嗚咽
肩に回された友達のか細い腕
泣き顔

もう悲鳴なんて上がったかどうかも覚えちゃいない


そうだ まだ恨んでる
まだ消えない火がここにある
薪をくべ 風を断ち 木に残った水分が皮を弾けさせる音を聴きながら 燃え続けるのをまばたきさえも忘れて見ている




やりきれないよな


やりきれないんだよ





これは傲慢な我儘
罪悪感なんて1mmも感じないでほしい
後悔も懺悔も絶対にしないでほしい、しないだろうけど
どちらにせよ許しはしない
罪悪感なんて、罪悪感など
あのことに関しては絶対

許してしまいたくなるような言葉を吐かないでほしい

思い出になんてならない
そんなこともあったねなんて笑える日は多分一生来ない





そうか
わたしはまだ怒ってるんだな
まだ怒れるんだな

許さないことで忘れないようにしているなんて本当に馬鹿げている ほとんど仇討ちの復讐者と同じ 今更臥薪嘗胆なんて流行らない
一体いつまでこんな不毛なことを繰り返すつもりなのか
一体いつまで顔向け出来ないような言葉を吐き続けるつもりなのか

赤子の手を捻るようなもの
黙らせるのも本来は朝飯前
それさえも看過されている

また憎い




消えるまで行けない場所がある
そして消えるのを恐れている


青春が死んだ日に生まれた火






口を挟むべきじゃないのは重々承知の上、だけど、ああ、わたしだって忘れたい
忘れられるものならば